2013年2月8日金曜日

ヒト型脳とハト型脳

本日のお題は、「ヒト型脳とハト型脳」
著者 渡辺茂

脳・(人工)知能関係の入門書を読んだ方に、オススメしてもいい本だと思う。

著者はあとがきで、
鳥関係の研究集会で話をする。脳の話題は歓迎されない。血にまみれた研究だからである。脳の研究集会で講演する。面白がってはくれる。しかし、それは所詮鳥の脳の研究だろう、という雰囲気を感じる。かくして僕はあてどなく漂う。
という記述をしている。

分野の隙間、あるいは交わる所だからこそ面白いという気がするのだが、各分野の「王道」を行く研究者には王道ならではの自負があるのだろう。
(まあ、それが「バカの壁」だと思うのだが)

ヒトの脳や人工知能の本を読んでいると、知能の発現、あるいは人工知能の構築には、ヒト型脳が必要なのではないかと思いがちだ。

だが、カラスは人間社会の近くで暮らしているからだと思うが、よく遊んでいる姿が目撃されている。YouTubeなど、ちょっと検索してみるとおもしろい。滑り台、ボール遊び、雪すべり、ソリ遊び、、、。

人は、姿が違う鳥の行動を見て、何がしたいのか、何をするつもりなのかを類推することができる。犬でも猫でも、ハイハイしかできないゼロ歳児でも、その行動から何かしら意図のようなものを汲み取ることができる。
ということは、鳥の脳が十分に発達していた場合、人の意図を彼らが推察することも可能だと思う。

人社会で人間に混じって役割を演じるロボットというのは、実はもう結構存在すると思う(ロボットの定義によるだろう)。
エアコン、炊飯器、テレビ、冷蔵庫、スマートフォン、自動車…
みな、固定的に与えられた昆虫のような知能だが、状況に応じて自らの機能を調節しているという点で、ロボット掃除機の例を引かなくても、それらはロボットだと思う。

人間と並んで歩いて荷物を持ったり道案内をしたり家を作ったり。
そのようなロボットに、はたして人間の心の機微を知るような、そんな種類の知能が必要だろうか。50年後ならいざしらず、現在のコンピュータは哺乳類の脳内での情報処理を実時間内でシミュレートするには能力不足であろうから、人と異なるアプローチでも同等の事ができるという事実を以って、視野を広く保ち続けていたいものである。

もちろん、人と同じ種類の知能を備える必要のあるロボットも考えられる。
教師、医師、看護師、ヘルパーと呼ばれる人達、セクサロイド。

コウモリとトリと飛行機
イルカ・クジラとサメと潜水艦
ヒト型脳とハト型脳と…



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